食生活の変化に伴い、日本でも大腸がん患者さんは増加しています。大腸がんの治療法は進歩してきており、分子標的治療薬と呼ばれる新しいタイプの抗がん剤も登場しました。さらに、点滴や注射ではなく内服する分子標的治療薬も加わり、利便性はますます高くなってきています。一方、このような経口の抗がん剤は家庭で服用することになるため、患者さんやご家族の治療に関する十分な知識と前向きな取り組みが治療成功の鍵となります。そこで今回は、大腸がんの原因、症状、検査法、治療法などについて、大腸がんに詳しいがん研有明病院の門田守人先生、水沼信之先生にお話を伺いました。

がん研有明病院

病院長 門田 守人 先生

【総監修】

 
病院長 門田 守人先生

もんでん・もりと先生
1970年大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部外科学第二 助手、講師、助教授を経て、94年同講座 教授。99年同大学大学院医学系研究科消化器外科学講座 教授、2004年大阪大学医学部附属病院 副病院長兼任、07年同大学 理事・副学長、11年同大学 名誉教授。11年がん研有明病院 副院長、12年から現職。2005~09年日本癌治療学会理事長、11年がん対策推進協議会会長。

がん研有明病院 消化器センター 内科

担当部長 水沼 信之 先生

【監修】

 

みずぬま・のぶゆき先生
1984年東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学第3内科、癌研究会附属病院(現 がん研有明病院)化学療法科を経て、米国ダナファーバーがん研究所、米国国立がん研究所(NCI)研究員。97年癌研究会附属病院化学療法科、2004年同院外来治療センター 医長、06年癌研有明病院(現 がん研有明病院)化学療法科 副部長、08年同科 消化器担当部長、10年より現職。


液状の便から水分を吸収し、残りカスを固形の便に

――本日はありがとうございます。今回は大腸がんについてお話を伺いたいと思います。まず、大腸とはどんな働きをしているのか教えていただけますか。

図1. 大腸壁の構造

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図1. 大腸壁の構造


図2. 大腸の区分

大腸の区分
図2. 大腸の区分

水沼大腸は、口から肛門までをつなぐ消化管の一部です。食事をすると、食べた物は胃で分解されて、小腸で約90%の栄養素が吸収され、食事の約15時間後に大腸に到達します。大腸の主な働きは、小腸から来た液状の便に含まれる水分を吸収し、残りカスを腸内細菌で分解した上で固形の便にして、それを一時的にためておくことです。
大腸の構造は、内側が粘膜になっていて、さらに5層の壁に覆われています。大腸の長さは1.5~2mで、小腸に近い方から、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分かれています。


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Last Updated: 2015/5/13L.JP.OH.09.2014.0841