無症状で発見される患者さんが増えている

――慢性肝炎から肝硬変、さらに肝細胞がんへと移行していくことがわかりました。早期に診断できれば、早期に対処することが可能というわけですね。診断はどのように行うのですか。


池田健次先生

池田肝細胞がんの危険性がある慢性肝炎、肝硬変の患者さんでは超音波検査などの画像診断とAFP(α-フェトプロテイン)、PIVKA-II(protein induced by Vitamin K absence or antagonist-II:ピブカ・ツー)などの腫瘍マーカーの検査をもとに診断していくことになります。こうした検査の結果、疑わしい症例はdynamic CT検査※1や造影 MRI検査※2を行います。また、近年では肝細胞がんの早期診断に寄与する肝臓造影剤も登場しました。これらは入院しなくてもできますし、いよいよどのような治療を実施するかという判断も入院する前に行うことができます。

――患者さんの受診の契機はどのようなものですか。

池田肝細胞がんの患者さんには、慢性肝炎、肝硬変の段階から医療機関を受診していた方と、そうした病状に全く気がついていなかった方がいます。前者は、定期的な検査で発がんがわかります。後者の場合では、症状が現れてから受診する患者さんもいますが、最近はそうした患者さんは減り、人間ドックや健康診断などで無症状の段階で発見される患者さんが増えています。

――肝細胞がんになると、どんな症状がありますか。

池田お腹が張る、痛い、触れるとしこりを感じる、腹水がたまるというものです。こうした症状が自覚できるということはかなり進行した状態です。また無症状といっても、慢性肝炎、肝硬変の段階から経過観察している患者さんに比べると進行した状態で見つかる患者さんがはるかに多いといえます。

  • ※1
  • dynamic CT検査 :造影剤を急速に静脈注入後、複数のタイミングで同じ部位を反復撮影するCT検査。

  • ※2
  • 造影 MRI検査:さまざまな撮像条件と造影剤の静脈注射を組み合わせて、肝細胞がんの血流状態や組織の性質を調べるMRI検査。

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