――進行性腎細胞がんに対する薬物療法についてお伺いしたいのですが、腎細胞がんに抗がん剤は使用しないのですか。
堀江過去には抗がん剤の利用が試みられてきましたが、ほとんど効果がないことが明らかになりました。代わって、積極的に使われてきた薬物療法は、サイトカインと呼ばれる薬物です。正確にいうとサイトカインは私たちの体内で作られている細胞間の連絡を担う情報伝達物質なのです。薬物として使われているサイトカインにはインターフェロンα、インターロイキン- 2などがあります。それぞれ、単剤で使用した場合の有効率は20~30%です。肺転移やリンパ節転移例には比較的高い有効性が期待できますが、脳や肝・膵への転移にはほとんど無効です。
――副作用もありますか。
堀江発熱や炎症反応が出現することがあります。患者さんによっては副作用が強く、治療を一時中断しなければならないこともあります。日本の専門医は、進行性腎細胞がんに対して外科的切除の後にサイトカイン療法を補助的に行うことがあります。治療経験は豊富で、副作用で難儀する例は少ないようです。ただ、サイトカイン療法では無効化するケースも多く、その後にどのような治療を行うかが課題です。
――サイトカイン療法には入院が必要ですか。
堀江医療機関によって判断が違ってくるかと思いますが、腎細胞がんの患者さんは転移しているような例でも、全身状態※12 が良いので、在宅自己注射の方法を学んでいただいて外来通院治療を原則とします。
- ※12
- 全身状態…患者さんが自分で身の周りのことをどこまでこなせるか、判断する尺度。



